太陽光発電システムを採用                                  わが家のリアルな電気代

家を建て替えて太陽光発電システムを導入。

それから2年半、発電量や電気代を細かくウォッチしてきました。

お金の損得だけに話を絞ると、太陽光発電システムは導入してもしなくてもどちらでもよいすね。(笑)

ただ、わたし自身は洗濯乾燥機を使い、24時間冷暖房しても電気代が許容範囲におさまるので、気に入っています。

ランニングコストが低いのは嬉しいです。

とはいえ、この記事は わが家のリアルな電気代も含めた検討材料を提供し、導入する際考慮すべきこと、知っておきたいことをお伝えします。

じっくりご覧ください。

2年前の状況

家を建てるとき、わが家では ZEH(ゼロエネルギーハウス)に興味もありましたし、太陽光発電システムを導入したいと考えていました。(実際にはZEHではなく「低炭素建築物」の認定を受けました。)

工務店に相談したところ、「電力の買取単価が48円/kWhだった頃とは違って、10年ぐらいしないと元がとれないですよ。」とのこと。

設置費用は136万円と高額で、買取単価が2019年時点で26円/kWhと買取制度が始まったころの54%程度になっていて、以前のようなメリットはないということでした。

家が山間にあるため、メーカーの発電量シミュレーションを鵜呑みにするわけにはいきませんし、不安はありましたが、以下の理由から設置を決めました。

  • 初期費用を抑えるよりも、ランニングコストが下がるメリットを優先したい
  • 紹介してもらったパナソニックの太陽光発電システムの保証が15年(機器瑕疵)ある
  • 火災保険の対象
  • 災害時壊れていなければ、たすけになる(蓄電池がなくても発電中は使える)
  • 二酸化炭素削減になる
  • 電力の生産手段をもつのも悪くない

結果、言われた通り10年で元はとれます。

途中で壊れるようなことがあっても、機器瑕疵ならメーカー保証、災害や事故なら火災保険で直せますからね。

2021年の状況

ところが、発電した電力の買取単価は年々下がって、2021年は19円ですね。

48円のときの40%程度になってしまっています。

それでも設置費用は下がってきているといわれていますし、これから設置を考えている方も設置費用光熱費削減額を見比べて決断することに変わりはないですね。

太陽光発電の損得

設置費用

設置費用は業者見積りで出しますが、新築の場合だと単独の設置費用がわからないケースがあると思います。

わが家のビルダー見積りは、太陽光発電システム単独での見積額が136万円で、やめればそれだけ下がるという明朗なものでしたので、はっきりしています。

こうして後からの検証もしやすいですね。

わからないときは 導入しない場合との価格差で判断するしかないでしょう。

光熱費削減額

光熱費削減額は

  1. 売電収入(買取単価は2021年は19円)
  2. 自家使用による電気代

この合計になります。

自家使用による電気代を試算をする場合の単価は 各家庭異なりますが、現状では買取単価よりは高くなります。

なので、昼間の電力消費の多い家庭のほうが光熱費削減額は高くなりますね。

平日ずっと留守のご家庭では、かなり自家使用が少ない可能性があります。

ここは、光熱費削減額は 年間予測発電量×買取単価(2021は19円)でシンプルにだして、それよりは多くなると考えるとよいのではないでしょうか。

年間予測発電量

年間予測発電量は、こちらでシミュレーションできます。

パナソニックの光熱費シミュレーション | エネピタ (panasonic.jp)

光熱費削減額もシミュレーションしてくれますが、現在の光熱費を入力して予測します。

生活している家に太陽光発電システムを設置する場合は参考になると思いますが、新築の場合はシミュレーション結果の年間予測発電量のみを参考にし、光熱費削減額は参考にしないほうがよいと思います。

シミュレーション結果と実績

わが家の場合、京都、パネル南側設置、システム容量4kWで、シミュレーション結果は4733kWh/年でしたが、発電量の実績は2020年は5364kWh/年です。

この年間予測発電量4733kWh/年からの光熱費削減額は2021年の買取単価19円だと、年間89,927円になります。

わが家の発電量実績5364kWh/年をつかうと、年間101,916円の光熱費削減になります。

設置費用100万円なら10年で元がとれますね。

それ以降も自家使用と売電収入によるメリットが続きます。 

これは、個別の計算が必要で、わが家の場合、売電収入を買取単価8円/kWhで計算し直すと22,104円/年になり、自家使用の68,823円/年とたすと、11年目以降のメリットは90,927円/年になります。

うれしい金額ではありますね。長持ちすればかなりのメリットでオススメです。

卒FITを意識する

「卒FIT」って、何⁈

太陽光発電をすると、余った電力は売るか、蓄電池や電気自動車に充電したりして自家使用するか、になります。

売る場合、10年間は決まった単価で買い取ってもらえます。

これをFIT制度といって、それが終了するのが「卒FIT」です。

「卒FIT」後

卒FIT後も余った電力は売るか、蓄電池や電気自動車に充電したりして自家使用するかに変わりはありません。

卒FIT後も余った電力は買い取ってもらえますが、大幅に下がって、関西電力だと8円/kWhです。

わが家を例にとると売電収入が71,838円/年から22,104円/年になってしまうことになります。大きいですね。

蓄電池は今のところ70万円~100万円と高額です。

わが家は自家使用が多いので、買取単価が安くなっても売電を選択するつもりです。

10円/kWh程度で電力買取をする業者もでてきていますし、自治体が蓄電池に補助金をだしたり、まとめて安く購入する取り組みをやっていたりもします。

10年後なら、電気自動車がお手頃価格になっているなど、情勢の変化もあるでしょうし、考え過ぎる必要はありませんが、「卒FIT」のことは意識しておきたいですね。

考慮すべきこと

メーカー保証

メーカー保証は、最低10年は欲しいですね。

10年以内に修理費用がかかると元がとれなくなりますから。

そして保証が切れる前には点検を忘れないようにしたいです。

メンテナンス

点検は今のところはしていませんが、保証が切れる前にやっておくことは検討しています。

足場がいる場合、点検だけでも6~10万円はかかります。

出力がおちた場合、パナソニックは一定の出力保証もあるのですが、汚れが原因だともちろん自分持ちになります。

清掃は点検のプラス2万円で、あまり考えたくないです。(笑)

補助金

わが家は「低炭素建築物」の認定を受け、120万円の補助金交付を受けました。(申請手数料20万円)

太陽光発電システム単独で認定されるわけではないので、明確に補助金でどれだけまかなえたかをを示すことは難しいです。

とはいえ、太陽光発電システムがなければ受けられなかった補助金です。

計画上無理なく受けられるのであれば受けたいですね。

ZEH(ゼロエネルギーハウス)補助金もありますが、どちらも計画当初からの準備が必要で、早めの相談が大切です。

ビルダーによっては受けられないこともありますし、初めから補助金も含めたプランを提案するビルダーもあります。

太陽光発電システム単独で受けられる補助金も調べてみるとよいと思います。

日当たり

日当たりの良し悪しで発電量が変わってきます。

隣に高い建物があるなど、個別に考えなければならないことになってきます。

屋根の勾配も含めて太陽光発電に適切かなどもメーカーに問い合わせて、よく調べておくことが大切です。

日当りに問題がある場合はあっさりあきらめることをオススメします。

エネピタでのシミュレーション結果よりもわが家の実績のほうが多く、山間地域というだけで発電量は少なくならないということがわかりました。

そう言えば、設置の時、職人さんが「どっちみち、お日様が低いうちは発電できないので、ここでも平地と同じぐらい発電できる」とは言ってくれてましたね。「障害物がない」とも…。

近くに山や家が迫っているわけではないということでしょうか。

ちなみに 京都、システム容量4kWでパネルの取り付け方向を変えてのシミュレーション結果はこちらです。西と東は同じなんですね。

  • 西  4051 kWh/年 (南の85.6%)
  • 南西 4541 kWh/年 (南の95.9%)
  • 南  4733 kWh/年
  • 南東 4541 kWh/年 (南の95.9%)
  • 東  4051 kWh/年 (南の85.6%)

北東、北西、北側はシミュレーションできませんでした。

初期費用についての考え

設置費用を現金で支払ったり、住宅ローンの返済額を決めて、残りを頭金とする場合はその分資産が減って、得られたはずの運用益を失うことになります。

住宅ローン借入額に太陽光発電システムの導入費用を上乗せすると、返済額は増えますが、住宅ローン控除額も増えてローン残高の1%が10年間毎年返ってくるとすれば、今の金利ではプラスになる人が多いと思います。

なので、最適解は人それぞれです。

わが家のリアルな電気代

ここから先はデータ好きの方のためにデータ好きの筆者が贈るわが家の電気代のデータになります。

2020年7月までは基本生活者2名、2020年8月からは3~4名でした。

昼間家にいることが多いです。

電卓片手にいろんな見方をしてみて下さい。

わたしはデータをながめて、電気代から売電収入を引いたものを実質電気代と考えて喜んだり、

ゼロエネルギーにはほど遠いんだと学んだり、

夏休み緊急事態宣言時に「自家使用」が増えていたりするのを見つけて楽しむような少数派人間です。

質問があればお気軽にお寄せ下さい。

表の項目について

買電量:関西電力から買っている電力量(12~16日〆)

電気代:実際に支払っている金額

売電量:売却した電力量(12~16日〆)

売電収入:実際に振り込まれた金額 買取単価は26.00円/kWh(2019年)

自家使用:自家使用電力量 太陽光発電モニターの記録を写しています。(月末〆)

自家使用分試算:自家使用電力量を26.46円/kWhの単価を用いてお金に換算した金額

発電量:売電量と自家使用の合計

発電分合計:売電収入と自家使用分試算の合計

自家使用分単価 26.46円/kWhの算出

関西電力「はぴeプラン」の場合、「はぴeタイム」料金の10%引き

発電している、つまり自家使用する時間帯の「はぴeタイム」料金は 

  • 平日通常デイタイム料金(31.77円/kWh)
  • 休日リビングタイム料金(23.47円/kWh)

平日と休日の割合を5対2とする

計算式:(5×31.77+2×23.47)÷7×0.9=26.46

ランニングコストを抑えたい方にはオススメ

結局のところ、10年で元がとれるというのが長いか短いかといったことで、価値観は人それぞれ。

高額の初期費用をかけて、わざわざ10年後からのメリットをとりにいかなくてもいいとも言えます。

太陽光発電システムの寿命は20~30年といわれています。

そうすると、10年で元を取った後は10年間プラスになりますので、日当たりに問題なければやってもいいですね。

わが家も20年も持てば、老後も少ない電気代でたすかります。

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